バッテリー不要、クリーンな回転で
グリーンパワーの安定供給
フライホイール式UPSとは
フライホイール式UPS(Flywheel Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)とは商用電源の停電時や瞬時電圧低下時に所定時間の電力を供給することを可能とする装置です。鉛蓄電池やリチウムイオン電池などの二次電池を使用しておらず、フライホイールと呼ばれる電気エネルギーを運動エネルギーに変換し貯蔵するシステムが使用されています。停電や電圧低下の影響が大きいデータセンター、生産設備、半導体工場などで多く導入されており、様々な分野への電力の供給と保護の信頼性、可用性を高めています。また、非常用発電機と組み合わせることでより長時間の電源の供給を可能とします。
フライホイール式UPSは省スペース設計されており、バッテリーを使用していません。製品寿命が長く、有害な化学物質を使用しないサステナブルで環境にやさしい製品です。
特徴
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- 高信頼性
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バッテリーのように容量の減少や寿命がない
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- 高効率
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常時商用電源を補償(パラレルオンライン方式を採用)しながら最大98%の高効率
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- 拡張性
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モジュール式製品のラインナップで高い拡張性
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- 連続停電/瞬低対応
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3分未満で充電可能、非常用発電機の運転時間短縮にも貢献
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- 省スペース
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バッテリー式より小型で軽量
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- 実績
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世界中での豊富な納入実績台数
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- 長寿命
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年に一度の点検と数年ごとの軸受交換で20年以上の運用実績
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- サステナビリティ
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有害物質を使用しておらず、リサイクル可能な材料を使用
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- メンテナンス
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バッテリーのように頻繁なメンテナンスが不要で運用コストが削減可能
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- 安全性
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火災リスクが低くその安全対策も不要
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- 温度特性/空調
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0-40℃で性能を損なうことなく運用可能で電気代や空調設備費用を節約可能
製品ラインナップ
Piller 低圧・高圧UPS
- 高圧 最大34kVまで設計可能(50/60Hz)
- 低圧 400/690V(50Hz)、480/600V(60Hz)
- 最大98%の効率 ・設置スペースの削減
- 0-40℃までの広い稼動温度
- 20年以上の製品寿命
Active Power CleanSource PLUS SMS
- シングルモジュール型(Single Module System)
- 300kW 380/400/415/440V @ 50/60Hz
- 最大98%の効率
- バッテリー式の1/2のスペース
- メンテナンスバイパス内蔵(オプション)
- 0-40℃までの広い稼動温度
- 20年以上の製品寿命
Active Power CleanSource PLUS MMS
- マルチモジュール型(Multi Module System)
- 300kW – 2400kW 380/400/415/440V @ 50/60Hz (300kW×最大8台)
- 最大98%の効率
- バッテリー式の1/2のスペース
- 0-40℃までの広い稼動温度
- 20年以上の製品寿命
Active Power CleanSource HD
- エネルギー高密度型(High Densty)
- 625kW 380/400/415/440V @ 50Hz
- 675kW 480V @ 60Hz
- 最大98%の効率
- モジュール式で最大5400kWまで対応可能(最大8台の並列化)
- バッテリー式の1/2のスペース
- 0-40℃までの広い稼動温度
- 20年以上の製品寿命
Active Power POWERHOUSE
- コンテナ型UPS
- -25℃から50℃までの環境温度で稼働可能
- 高い耐久性
- 工場で組み立て、試験済みですぐに利用可能
- 運搬しやすいコンテナサイズ
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原理
通常時は電動機として低摩擦環境下の真空状態のハウジングの中でフライホイールを定格回転数で常時制御しています。さらに磁気制御によりベアリング下部への重量負荷を軽減させることで、重量のあるローターを効率よく回転させることできるために少ない消費電力量で大きな運動エネルギーを蓄えることができます。
商用電源の異常時などには発電機として切り替わり、慣性によって回転し続けるローターの運動エネルギーが電気エネルギーに変換されることでバックアップ電力を重要な負荷に供給します。用途
停電、瞬時電圧低下、サージ(瞬時電圧上昇)、低電圧、高電圧、ノイズ、周波数変動、スイッチングによる過渡現象、高調波歪のIEEE(米国電気電子学会)が規定する9つの電力障害から重要な負荷を保護します。非常用発電機と連動して瞬断なく安定動作するまでの時間を補償し、非常用発電機からの給電に切り替えることも可能です。また、近年ではマイクログリッドや再エネ電源の安定化にも利用されています。
データセンター、医療産業、医薬品産業、通信/放送、製造業、半導体業界、物流業界、航空業界、金融業界、レジャー/カジノ、マイクログリッド
構成図
Piller Power
システム一覧(Piller Power)
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Active Power
システム一覧(Active Power)
他社(他方式)との比較
エネルギーの貯蔵方法
UPSのエネルギー貯蔵方法に様々な選択肢がある状況では、多面性が一つのカギとなります。各アプリケーションにはそれぞれ独自の補償時間の要求があり、それに合わせたソリューションが必要となります。エネルギー密度の高い選択肢は長時間の使用に魅力的ですが、1分以内の急速なエネルギー供給が必要な場合に最も重要なのは電力密度です。
従来のエネルギー密度の高い製品とは異なり、フライホイール式UPSは、サステナビリティ、製品寿命、安全性、設置面積、総所有コストにおいて優れた利点を備えています。
フライホイールはその優れた信頼性で高い評価を得ており、従来のバッテリーと比較して故障しやすい部品が少なく、シンプルな設計となっています。この信頼性により、フライホイールは停電時にも重要な機器に電力を供給し続けることができます。
メンテナンスは最小限で済むため、長期的な運用コストの削減にもつながります。フライホイールは稼働状況の可視化が容易で安定した性能を発揮します。バッテリーよりも長寿命であるため、長期間に亘って使用することができます。さらに、有害な化学物質の使用や廃棄の心配がなく、高効率でエネルギー消費を削減することができる環境にやさしい製品です。
以上のことから、フライホイール技術はUPSシステムにとって信頼できるサステナブルな選択肢であり、様々な分野の重要な電力ニーズに効果的に対応することができます。給電方式
フライホイール式UPSが採用しているパラレルオンライン方式は交流入力電源と並列に充放電回路を配置しています。この設計では消費電力分を商用電源からそのまま供給しますが、UPSに内蔵されたキャパシタとUPSの電子制御により商用電源の過電圧または電圧低下を補償し、過渡現象、電圧変動、またはその他の障害を排除することができます。
他方式の常時インバーター給電方式(ダブルコンバージョン方式)のUPSではすべての電力が交流から直流に整流され、また直流から交流に変換されるため、完全な正弦波と周波数出力が保証されます。しかしこの方式では、変換に大量のエネルギーを使用し、負荷率が低い場合には効率の低下は特に顕著となる傾向があります。近年ではエコモードのような、常時商用に切り替えて高効率で運用できることを謳っているケースがありますが、これは電力調整機能を完全に放棄していることになるため、負荷に長期的なダメージを与える可能性があります。
フライホイール式UPSではこの周波数変動も±0.2%で制御しており、常時インバーター給電方式と同レベルの補償を提供しながらよりシンプルで、エネルギー効率の良い設計になっています。
ランニングコスト
フライホイール式UPSが採用しているパラレルオンライン方式は交流入力電源と並列に充放電回路を配置しています。この設計では消費電力分を商用電源からそのまま供給しますが、UPSに内蔵されたキャパシタとUPSの電子制御により商用電源の過電圧または電圧低下を補償し、過渡現象、電圧変動、またはその他の障害を排除することができます。
他方式の常時インバーター給電方式(ダブルコンバージョン方式)のUPSではすべての電力が交流から直流に整流され、また直流から交流に変換されるため、完全な正弦波と周波数出力が保証されます。しかしこの方式では、変換に大量のエネルギーを使用し、負荷率が低い場合には効率の低下は特に顕著となる傾向があります。近年ではエコモードのような、常時商用に切り替えて高効率で運用できることを謳っているケースがありますが、これは電力調整機能を完全に放棄していることになるため、負荷に長期的なダメージを与える可能性があります。
フライホイール式UPSではこの周波数変動も±0.2%で制御しており、常時インバーター給電方式と同レベルの補償を提供しながらよりシンプルで、エネルギー効率の良い設計になっています。
サステナビリティ
フライホイール式UPSの高いエネルギー効率と冷却要件の緩和によって運用時の二酸化炭素排出量を削減することができます。UPS製造時に必要な部品を製造する際に排出される二酸化炭素量も、鉛蓄電池と比較すると90%以上削減することができます。
また、フライホイール自身はほぼ100%が鉄製で最もリサイクル素材ですが、鉛蓄電池やリチウムイオンバッテリーは廃棄の方法を考慮する必要があり、環境負荷や汚染につながる可能性があります。導入事例
ホワイトペーパー
よくあるご質問
どのような障害に対して補償ができますか。停電、瞬時電圧低下、サージ(電圧上昇)、低電圧、高電圧、ノイズ、周波数変動、スイッチングによる過渡現象、高調波歪のIEEE(米国電気電子学会)が規定する9つの電力障害から重要な負荷を無瞬断で補償することが可能です。
どれくらいの時間の停電を補償することができますか。15~60秒間程までの補償時間がフライホイール式UPSのメインターゲットになります。
お客様のご要望に合わせて機種をご提案致しますので下記の情報をお知らせください。
・電圧
・周波数
・補償時間
・容量(kVA及びkW)
・補償する負荷の概要瞬低や停電が連続して起こった場合にも補償できますか。発電できる容量内であれば複数回の瞬停や停電に対しても補償可能です。また、2次電池と異なり運動エネルギーとして貯蔵するために、フル充電状態(定格回転数までの復帰)に達するのが早い(フライホイールから使用できるエネルギーがゼロ状態からでも3分未満)ことが特長です。
UPSが補償するまでの切替時間はありますか。停電後、商用電源からUPSからの補償への切替と商用電源復帰時(UPS補償時間内)は無瞬断です。
補償できる容量(kVA、kW)を教えてください。最小250 kVA(225 kW)からの構成となります。いくつかの容量の製品の中から選択し、同一製品を並列に接続することで容量を増やすことが可能です。万が一に備えて、冗長化(n+1)での構成も設計可能です。
お客様のご要望に合わせてご提案致しますのでご相談ください。対応可能な電圧を教えてください。Active Power社製UPSでは380、400、415、420、440、480 V、
Piller Power社製UPSは380、400、480、600 V、高圧は仕様に応じて設計(最大34 kV)となります。
上記以外の電圧でご使用をご検討の場合にはご相談ください。設置環境温度を教えてください。0-40℃(1日平均温度35度以下推奨)の範囲で設置可能です。
何が低環境負荷なのですか。以下が低環境負荷のポイントです。
・高効率(最大98%)
・冷却用空調不要または管理温度の緩和による使用電力量削減
・一般産業廃棄材料のみ使用でリサイクル可能
・バッテリー不使用で交換/廃棄が不要瞬低補償装置との違いは何ですか。一般的な瞬低補償装置は最大数秒程度のごく短時間の電圧低下や停電のみ補償し、装置からの給電に切り替える際に数m秒の瞬断を伴います。弊社のUPSでは電圧低下や停電時に瞬低補償装置より長時間の補償時間を提供するのみでなく、IEEEに定めるすべての障害から常時補償しています。また、UPSからの給電に切り替え時の瞬断も発生しません。
非常用発電機との違いは何ですか。UPSは商用電源の障害時に自動的にUPSからのバックアップ電源に切り替わり電気の供給を継続しますが、バックアップ時間はUPSの蓄電量に依存します。。一方、非常用発電機は燃料がある限り発電を継続できるため長時間の補償が可能ですが、障害が発生してから起動するために最大1分間程度の停電が発生してしまいます。UPSと非常用発電機を組み合わせることにより、負荷への送電が中断することなく長時間の補償も可能です。
製品のサイズを教えてください。一般的なバッテリー式UPSと比較して設置面積を抑えることが可能です。
例) 333kVA/300kW/50Hz 3,226L×865W×1,981H(㎜)
製品仕様によって異なりますのでまずはご相談ください。屋外に設置することは可能ですか。製品は防水仕様ではありませんので建屋内に設置する必要があります。、また、コンパクトな設計のためコンテナに収納された製品ラインナップも揃えており、海外での導入事例が増えております。製造工場でコンテナ内に装置を据付、配線済みですので現地での設置工期・費用を抑えることが可能です。
耐震性に問題はありませんか?日本国内で実施した地震の揺れを再現した耐震試験の結果では震度5弱で異常がなかったことを確認しております。免震装置を併せてご提案することも可能です。
回転式のフライホイールUPSですが稼働音は大きいのでしょうか?以下が参考値となります。
Active Power社UPSの騒音値: <75 dB(A)(機側1 m)
Piller Power社製UPSの騒音値: <77 dB(A)(機側1 m)フライホイールが高速回転していますが、事故や危険性はないのでしょうか?堅牢なハウジングの中にフライホイールが設置されているため、フライホイールに直接触れたり、外部に放出するような危険性はございません。
海外メーカー製ですが、メンテナンス体制はどうなっていますか?日本国内のライセンス取得済みエンジニアがトラブル時の初期対応を致します。
また、アジア地区各拠点のメーカーエンジニアがリモート対応を致します。
リモート監視・予兆故障診断オプションが選択可能な製品もございますのでご相談ください。UPSがオンラインの状態でメンテナンスを実施することは可能ですか?年次点検についてはオンラインの状態で実施することが可能ですが、ベアリング交換時にはUPSの電源を遮断する必要があります。商用電源の供給を継続してメンテナンスを実施するためにメンテナンスバイパスを設けることを推奨しております。
製品寿命内にフライホイールの交換の必要はありますか?二次電池のように経年劣化による容量の低下はなく、フライホイール自体の交換の必要はありません。ただし、フライホイールの上下ベアリングのみ交換する必要があります。
ベアリングの交換頻度はどれくらいですか?Piller Power社製UPSが10年に1度、Active Power社UPSが3年または4年に1度のベアリング交換頻度となります。バッテリーに比べて安価なため、バッテリー式UPSと比較してランニングコストを抑えることができます。
製品寿命を教えてください。20年の製品寿命で設計されております。メンテナンスを継続していただくことで20年以上の運用も可能です。
デモ機はありますか?お貸出しできるものはございませんが、弊社支店に見学できる製品がございます。リモートでも対応致しますのでぜひお問い合わせください。
関連商品:Active Power GenSTARTTM(非常用発電機始動システム)
Active PowerのGenSTARTTMは、非常用発電機にさらに可用性を追加するバッテリーフリーのモジュール式始動システムです。 ほぼ全ての非常用発電機は、クランキングをバッテリーに依存しています。しかし、非常用発電機の始動不良の一番の理由は、始動用バッテリーによるものです。GenSTARTTMは、非常用発電機の始動システムの信頼性を高め、エンジンのクランキングサイクルを確実に成功させるよう設計されています。
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