プラントや作業員のリスクマネジメントに
爆発に伴うリスク
高密度化し、複雑に展開した産業界にとって、潜在するリスクを最小限に抑え、さらに万が一の事態にそなえて事前の回避を促すこと、つまりリスクマネジメントが重要な課題となっています。
爆発も潜在するリスクの一つです。プラントの爆発事故は、火災と比べると発生する可能性は非常に少ないものですが、その被害は数十倍〜数千倍にも及びます。プラントの損傷はもとより、何よりも大切な人命を失ったり、操業停止による経済的損失、企業イメージの低下等、平常には考えも及ばないほど重大なダメージとなります。
このようなプラントプロセスの爆発に伴うリスクは産業界のいたるところに存在しているのです。
IEPシステムの歴史
1950年代に日本フェンオール社では爆発事故の脅威をなくす画期的な爆発抑制装置を開発しました。「Industrial Explosion Protection(IEP)システム」と呼ぶこのシステムは、第2次世界大戦中に英国空軍が行なった航空機用燃料タンクの爆発防止研究から始まり、その後、アメリカで産業用に改良を加え、大陸横断旅客機に設置されました。
さらに、プラントの粉じんプロセス等にも適用され、現在8,000以上のシステムに及ぶIEPシステムが世界で採用されています。
1年間に200件以上の爆発をこのIEPシステムは検知・抑制しており、導入したプラントでは、事故のない安全な操業が約束されております。
原理
爆発抑制の原理
日本フェンオール社のIEPシステムは、圧力上昇を伴うスピードの速い燃焼として定義つけられる爆発現象に対して、その初期の立ち上がりをとらえて消火抑制し、隣接区域の二次爆発をも防止するものです。IEPシステムは、爆発の発端から次の一連の動作をミリセコンドの単位で実行します。
■ 着火後の初期爆発圧力上昇の感知
■ 燃焼を停止させるために消火剤を高速放出
■ 隣接区域・配管への爆発の伝播防止
■ 関連プロセス機器の非常停止
■ システム作動の警報
■ 二次災害防止用に関連消火設備の起動
爆発抑制の過程
ミリセカンドの感知と抑制
日本フェンオール社の爆発抑制装置は、数ミリセカンドの間に爆発による急激な圧力上昇をとらえ、設備を破壊する前に消火剤を放出し、爆発を抑制します。消火剤は次の2つの方法で作用します。1つは化学的に爆発の反応を妨げ、もう1つは爆発する炎の表面から熱を取り除いて燃焼に必要な温度以下に下げることです。消火剤はまた燃焼しやすい状態の粒子と粒子の間のバリアとなり、熱の伝播を防ぎます。
特徴
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圧力感知器
定圧検知式と圧力上昇率検知式があります
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HRD消化容器
アクチュレーターの作動によって生じる圧力波で破裂板が瞬時に解放され、容器内の消化剤を放出します
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コントロールユニット
感知器が作動した信号を受け、消火剤を放出し、または遮断弁を閉鎖するための信号を出力します
また、シャットダウン連動、警報信号を出力します
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